公開講座を終えて

6月IFAの理事でもある穂積恒高連協理事(医師)の案内で、IFAのジェーン・バラット事務局長が来日。ジェーンさんの来日目的は、国際高齢者団体連盟(IFA)として、WHOも推進している「シニアのインフルエンザ、肺炎予防の啓発を国際的に推進したい」とのことで、特に高齢化最先進国の日本のワクチン接種率がOECD各国の中では極めて低い状況等を聴取するために厚生労働省を訪ね、高連協(理事数名)との会合も持った。

6月11日の高連協役員会は、IFAの働きかけに対し、穂積理事から日本の現状と併せてIFA要請についての説明を受け、その啓発活動の必要性に鑑み、イベントを催すこととした。イベントの主題として先ずは、シニアの最近の関心事である「健康寿命の伸長」を掲げ、シニア自らの健康保持のために、シニアが罹り易いインフルエンザや肺炎の発症予防について知識を得ることを中心テーマにしたプログラムということで、高連協公開講座を11月13日(会場都合等により)開催することとした。

7月8日、高連協役員会は、公開講座の実施に当たり、講座プログラム案を検討。樋口恵子代表による主催者基調講演、堀田力代表による健康生きがい等総括講演(最終講演)、を決め、ジェーンさんと穂積理事とに対応された厚労省の原勝則・厚生労働審議官(元老健局長)に「健康づくりと社会保障」に関する講演、そして、インフルエンザ等感染制御が専門で健康寿命についても論じている慶應義塾大学病院の長谷川直樹教授による講演「シニアの感染症予防」に関する講座等を決める。と共に、その実施推進のための企画運営委員会を設け、穂積理事を委員長に、理事及びIFAジェーンさん来日時等に関わった理事及びオピニオン会員等8名(伊藤実、大橋忠夫、久保欣一、佐方紀子、玉木康平、野島卓郎、穂積恒、吉田成良)の委員会メンバーを決めた。

9月9日役員会は、内定あった厚労省後援名義(9月14日付)を得て、講座開催チラシ(参加賞付)を作成、9月24日から配布を決めた。

参加者案内は、6~7年来の「高齢社会フォーラム」(内閣府と共催・協力)の参加者減少傾向にも鑑み、講座プログラムの内容には自信を持てたこと等により、高連協会員団体への案内と読売、毎日新聞の告知による申込者への参加証配布にて実施。参加証配布は、700余名(710名)に達し、当日の参加者は5~600名(会場規模からは盛況)を予測していた。

しかし、当日の参加者は延べ360名という主催者としては極めて残念な結果で、素晴らしい内容の講演等を下された演者、総司会者各位に申し訳ない。

参加者からのアンケート(203名:集計結果は別添)によれば、ほぼ全員がプログラム内容について「有意義であった」、「参考になった」と答えており、プログラムの内容はこれまで高連協の主催や協力によるイベントでは例のない高い評価であった。とりわけこのようなイベントの案内を欲しいと住所、メールアドレスも記している者が150名(新しい仲間133名)もあったほどで、講演内容等プログラム次第は好評を博したと言えよう。

 

公開講座開催日から土・日曜をはさんだ月曜16日、講座テーマ「シニアの健康寿命の伸長」に多大な関心を持ち、紙面でも大きく告知してくれた新聞社のデスク(当日は編集会議で出席できなかった)が取材に来訪。

彼は社会保障が専門で、就労と社会保障制度とくにこの10数年は高齢者の社会的活動と就労に注目しており、海外でも国連のエイジングユニットや高齢者問題委員会、AARP(旧米国退職者協会)、あるいは中国老齢問題委員会の活動も取材している。

彼の言うところは、「健康寿命の伸長」こそが、シニアが考える最適なテーマで、日本の高齢者団体「高連協」のミッションと思う。日本のシニアの悩みは、先ず経済生活、明春からの公的年金減額化等。次に健康問題であろう。

人口高齢化が進む現状から社会保障制度の改訂は仕方がないとも言えるが、年金給付年齢も70歳以上とするとか、医療費の高齢者負担率を上げるとか、という制度改正の方向ではなく、健康寿命を目途に、現在日本男性の平均健康寿命が71歳であれば70歳位までは何か働く場があって収入等インセンティブもあるという社会環境づくりを国も国民も目指すべきで、高齢者も当事者として行動すべきであろう。まさに長寿・高齢社会の構築が今求められているし、実現可能な時代ではないか。

また、医療費が40兆円を超えて行く状況については、日常生活に見られる医療費とくに過剰な投薬に注目すべきで、ガン治療など高額医療は話題にするが、厚労省も風邪、インフルエンザの診療や投薬にどれ程の医療費を要しているかを病気別に公表し、国民の関心を集め大きな浪費を防ぐべきである。

高齢者の密かで多くの心配事は、認知症の発症のようだが、スウェーデン等のように認知症になっても普段に生きられる社会になってしまえば良いので、俗に言う「ボケもあるよとも言う」夫婦、家族、地域社会環境になれば良い。そうなっていくと思う。

これからの社会構築から見れば、高連協の公開講座は、長寿時代の初代が取り組む社会構築、それは自助、互助、地域包括支え合い、社会保障制度などであろうが、究極の課題は個々人の自助、健康生きがいづくり、日常生活の中で出来ること(健康予防と自立・尊厳)。そんな事々を考えると公開講座「シニアの健康寿命の伸長」は素晴らしいテーマであった。参加者からのアンケートを覗かせてもらうとほぼ全員が満足したようで本紙も告知しがいがあったと喜んでいる。

以上は、取材記者さんが述べた概要である 。  <高連協・吉田成良>

カテゴリー: 高連協オピニオン広場 パーマリンク

コメントは停止中です。