「戦後70年安倍談話」に首相の「心音」が聞こえない

8月15日の「終戦記念日」を前にして、村山・小泉談話の継承が注目されていた「戦後70年首相談話」が14日に閣議決定され、夕刻に安倍首相から記者発表された。会見で全文を聞いたが、冗長で間接表現になっていて、課題は網羅されているものの安倍首相の思いがどこにあるか捉えづらかった、というのが大方の見方のようである。

8月15日正午の黙とうを終えて新聞で読み直してみたが評価にかわりはない。「植民地支配」「侵略」「痛切な反省」「心からのお詫び」といった文言は入っているが、戦後70年平和を守ってきた国民への誇りとねぎらいが際立っていない。主体的な発言を抑えたのは、「21世紀構想懇談会」の提言の上にたって(記者会見での冒頭発言)、「こういう理由でこうなった」という有識者の認識に終始したからであろう。

「戦後70年」についての発言では、7月31日に開催された「高齢社会フォーラム in 東京」の基調講演での樋口代表のそれが思い合わされる。

「人間生まれる時と場所は選ぶことができません。幸いにも幸いにも戦争が終わって平和が訪れた中で物心つき、あるいは生まれました。そして戦後70年、ここにいらっしゃる方々は『戦争を知らない大人たち』として70年を生きてきたわけでございます」

わたしたちは平和の証として戦後70年を迎えており、自分で選びとった人生が画ける「命が主人公」が平和の代名詞。このことは若い人にも共通で、10代の少年少女にも、そして虹色のもやのかなたにこれから生まれる人びとにも「人生100年」がある。

日本人の長寿を支えた平和と一定の豊かさ。その結果生じている問題解決のために社会システムを「人生65年型」から「人生90年型」へつくり変える、初代として金メダルにふさわしい生き方老い方をしなければ、という樋口代表の要請に実感をもつことができた。(8・15 蝉鳴しきりの午後に)

堀内正範

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