世代間連合(GU)国際会議報告

去る7月21日~24日に米国ハワイ州ホノルル市のハワイ・コンベンション・センターにおいて、米国の世代間連合(GU、Generations United)主催、ICIP(世代間プログラムのための国際共同事業体)、高連協(JANCA、高齢社会NGO連携協議会)、シーガルスクール、国連-ハワイの共催による、世界初の世代間連合(GU)国際会議が、「地球規模での世代間アクション」と題するテーマで開催され、無事成功裡に閉幕した。参加国は11ヶ国・地域、参加者は約140名で、米国66%、日本23%、その他(欧州・アジア等)が11%であった。高連協、ならびに高齢社会をよくする女性の会からは樋口恵子高連協共同代表(高齢社会をよくする女性の会)を始めとした16名がこの会議に参加した。

GU

〇オープニングゼネラルセッション、ワークショップセッション、特別セッション等
本会議は7月23~24日。オープニングゼネラルセッションでは6名のキーノートスピーカーによる基調講演が行われ、日本からは樋口恵子高連協共同代表と杉啓以子江東園経営企画管理本部長(高連協個人会員)が講演した。樋口恵子高連協共同代表は、「日本における世代間交流」と題して、内閣府『高齢社会対策大綱』(2012年改訂)が、高齢者も支えられる側から支える側に大転換したこと、学校と近隣の地域社会間の協力等を紹介し、戦争を体験して生きてきた高齢者の活用・活躍は、平和な未来を探求し続け得ると信じていると結んだ。同代表は、杉啓以子江東園本部長による「世代間プログラム:地域社会の再形成」と題する、28年間にわたる江戸川区の江東園等の経験をもとにした世代間プログラムの実践報告とともに、世代間分野での日本の取組みの存在感を示した。
23・24日のワークショップセッションでは、穂積恒高連協理事(FOIFA〔Friends of IFA 〕理事長)、高連協正会員のアジアンエイジングビジネスセンターの小川全夫氏、草野篤子日本世代間交流学会会長、FOIFAのアユック・エヨング・クリスチャン副理事長と渡邉まり子氏が、各々の専門分野の報告を行った。
24日朝、前日の昼のGUアワードセッションでは、「子どもを支える生涯功績賞」を受賞したロバート・パットナム ハーバード大学教授)が特別講演。同氏は、現在の地域社会の崩壊等による子どもたちの機会格差の広がり現象を示し、それの改善方向を示唆した。
その他、22日にはエバビーチ・オーシャンポイントとカポレイのシーガルスクールを訪問し、幼児とディケアに通ってくるシニアとの日常交流を視察。24日には、ホノルル郊外の、オーシャンビューの素晴らしい高台にある「モアナルナ・プラザ」というCCRC(継続介護付きリタイアメント・コミュニティ)の施設を視察。2012年建設の真新しい建物で入居者は160人、8割が日系人。利用料は月当たり独立居住で5,500ドル、日常生活動作支援で6,700ドル。1ヵ月60万円の利用料には溜息。羨望は忽ち諦観に変わる。ハワイの老後も貯えが必要!
〇GU国際会議を振り返っての所感
忙しく感じる日程であったが、国際会議全体を振り返っていくつかの所感を述べたい。
・基調講演、ワークショップ、特別講演等それぞれの内容が、そこからさまざまな実相が教えられる、且つ知的刺激に富むものであった。
・世界的にも、また日本でもさまざまな格差問題についての議論が高まっている最中に、ロバート・パットナム氏によって報告された、子どもたちの機会格差問題には少なからず衝撃を受けたが、裏返せばそれは今回の会議開催が正に時宜を得たものであることを物語っているのではなかろうか。
・高連協が、1年半にわたってこの国際会議のリーダーシップチームに升田忠昭高連協理事(高連協GU委員会委員長)を送り込み、主催のGUと連携、協力しながら今回の国際会議開催に漕ぎ着け、一定の成果を上げたことは大きな意義があると考える。
・今後、世代間の問題への取り組みが国内的に、あるいは国際的に拡がり、成果を上げていくかどうかは私たちの努力如何に関わる。したがって、会期中、高連協、高齢社会をよくする女性の会の参加メンバーが一堂に会し、樋口代表を囲んで交流の場を持ったが、その時、このような会議が日本でも開催されたらいいと、期待を込めて述べられた樋口代表の言葉は大変意味があると考える。
・国際会議は、さまざまな人と交流し、視野を広げられる、また、参加した仲間とも胸襟を開いて付き合うことのできるいい機会であると痛感した。

(玉木康平記)

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