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「高連協オピニオン調査」について

  高齢社会への対応対策を推進するために我が国の関係団体が糾合し活動している「高齢社会NGO連携協議会」(高連協)は2010年現在、50余りの加盟団体と9つの賛助団体による連合体である。その活動では、「シニアの社会参加活動の促進」をスローガンにしており、加盟団体に関わり活動している会員等を対象者にしたアンケート調査を踏まえて各種の啓発活動、為政関係者への提言活動などを行っている。

 このアンケート調査は「高連協オピニオン調査」と称し、2000年以来これまでに6回実施されている。調査内容は、性・年齢、家族構成、健康状態等基本属性を記した上で、シニアの社会参加活動の在り方、年金等社会保障制度、環境問題への取り組み、などについて、自らの日常生活や健康・生きがいの観点から答えているものである。

 以下は、「高連協オピニオン調査」のこれまでの調査内容、即ち我が国の自立した高齢者の実情(概要)である。

 

○調査の対象者

  調査の対象者は、原則60歳以上の定年退職者及びその配偶者、友人・知人など、全国各地に住む人々で、65歳以上では9割以上が年金生活者である。性・年齢別では65歳以上が8割で、2009年調査では男女比が5:4の割合になっている。
 対象者について幾つかの特性を挙げると、(ⅰ)有配偶者率が高いこと。男性は80歳以上でも8割以上が有配偶者であり、女性も75歳以上を除くと、約7割が有配偶者である。(ⅱ)健康と自己判定している人々が約8割。健康ではないが社会的活動をしている人(15~20%)を含め、約95%人が活動しており、今現在は活動していない人は、5~6%である。(ⅲ)健康保持に努めている人が多く、「食生活に気を使っている」6割強、「規則正しい生活」、「体操等運動」、「定期的健診」等をしている人は各5割強と高い割合である。(ⅳ)人との交流が好きな人々であり、「趣味活動」6割強、「知人・友人との会合」約6割、「家族とのくつろぎ」5割強、「ボランティア」4割強など、人との交わりを楽しみにしている人々である。

 

○調査内容が訴えていること

 調査内容を基にした「高連協提言」(2009年8月11日)で訴えているとおりであるが、その要点は次のようなことである。

(ⅰ)今後21世紀前半における我が国の高齢社会では、高齢者の社会参加は不可欠であり、高齢社会とくに高齢者の実情を見据えた社会づくりを急ごう。

(ⅱ)高齢者としては、漫然と長寿を享受することなく、普遍化している長寿社会が総ての世代に幸せな社会となるように、社会づくりに積極的に参加したい。(高齢者が役割を発起できる社会を作ろう)

(ⅲ)「働くこと」を前向きにとらえている高齢者が社会構造上も大きな割合を占めるため、高齢者が持つ経験や経済力を活用し易い社会システムを構築して、需給両サイドから社会経済の活性化を図ろう。

(ⅳ)高齢化社会は人類恒久の願望が具現化している人類社会の発展過程である。世界各国も人口高齢化が進んでおり、高齢社会に対応したものづくりや社会システムづくりは国際的にも求められている。その中で、我が国が高齢化最先進国であることは社会経済の発展の上で優位性があると考えるべきである。

(ⅴ)高齢者は、要介護者になるまではほぼ100%選挙投票者であるが、その大半は無党派層である。(「高連協提言」には多くの国会議員(現閣僚を含む)からの返信返礼を受けている。)

 

○調査内容の分析研究会からの指摘

(ⅰ)2009年度の調査対象者65歳以上男女は、「新聞をよく読んでいる」7割強、「つまみ読み」25~30%と新聞購読率は極めて高く、テレビについても「ほとんど見ない」は3%しかいない。社会情報をほとんどメディアに依存している世代である。しかし、メディア各社の購閲者モニターに65歳以上はほとんどいない。

(ⅱ)2003、2005年調査では年金受給者である人々が経済状況(家計)について答えているが、国の家計調査では65歳以上対象者は極めて少ない。<国もメディアも問題が無い高齢者には関心が無い。この点では専門家も同様である。>

(ⅲ)高齢者の調査研究は、行政と福祉専門家によって行われてきているため、自立する高齢者についての調査研究はほとんど行われていない。高齢者の経済力についても、高齢者が持てる貯蓄・資産等の調査や推計はあるが、自立している高齢者の生活行動や消費・支出行動等を調査することは難しいのであろうか…

(付1)社会的活動をしているシニアの96.4%が主食として米飯食をあげていることは、「水田が日本の耕地を守っている事実、環境保全作用を知ってか知らずか・・・素晴らしいことである。」(環境専門家)

<吉田成良・記>