2015 Generations Unitedハワイ大会 日本における世代間交流:文化伝承を例として

はじめに
人類が全世界で長寿化し、高齢者人口が増加する中でも、日本は特に人口高齢化の進行が速く、2014年現在では国民の4人に1人が65歳以上である。さらに日本では人口が、2005-2010年の1億2800万人をピークに減少し始めている。東京オリンピック・パラリンピックが開催される2020年には、日本人口は約400万人減少し、高齢化率も29%に上昇、そして75歳以上が15%という超高齢社会になる。

日本には約1,740の自治体があるが、都市部を含めてどの地域自治体も人口高齢化が進んでおり、人口が減少している自治体も非常に多い。四半世紀前の1990年頃には、高齢化率が30%を超える地域社会はやがて消滅する限界集落と言われていた。しかしその後2010年のセンサスで高齢化率が50%という町村が10箇所以上出現しているが、これらは行政も住民の生活も立派に機能している。そこでは高齢者が社会的役割を若い世代と分かち合って共生しているのである。

どの国、どの地域社会にも、その社会環境を守り、生活文化を継承しようと願う文化の伝承行為がある。その内容は、衣食住や地域特有の日常生活行為から、農作業や工芸等の生産技術、土地や環境の利用、生活文化から生まれた歌や踊り、祭りなど幅広いものであるが、それらを次世代に伝えていくのは、もっぱら年長者や高齢者の役割である。

このような文化の伝承活動は、世代間交流の重要な事例であるが、あまりにも多岐にわたるため、容易には紹介しきれない。ここでは、日本が高齢社会になってから見られるようになった、高齢者の社会参加活動の推進という視点から、新しい「高齢者による若い世代との交流活動」について紹介する。

日本の高齢者に見られる若者との世代間交流の意識
活動を紹介する前に、まずは日本の高齢者が若い世代との交流に対してどのような意識でいるのかについて、簡単に述べたい。

内閣府が2013年、60歳以上の男女3,000人を対象に行った調査によると、若い世代との交流に参加したいと考えている高齢者は約6割であった。しかし実際に若い世代との交流に参加したのは4割強であり、両者には約2割の差が見られている。参加したいと思っても実際に参加へ踏み切れていない人が少なくないのである。(内閣府調査HP)

文化伝承での世代間交流事例
では実際に文化伝承での世代間交流は、日本でどのような内容や形式で行われているのだろうか。大まかな内容ごとに紹介していきたい。

1.日常生活行為の伝承
沢谷の地域文化を伝える会(島根県美郷町)
この地域は高齢化率が40%で65歳以上が200人以上いるが、現役で頑張っている人も多い。沢谷の地域文化を伝える会は地域の老人会の会員を中心としたグループで、当初は親睦を中心に軽スポーツ大会や花の植栽、子供達との交流などを主1に行ってきた。2011年からは、地域に配属された地域おこし協力隊の隊員と一緒に活動する機会が増加した。
会員の中には昔の歴史や行事、文化などを記憶している人が多く、それを子供たちに伝えていく必要性を常々話し合っていた。地域おこし協力隊との出会いの中で、隊員も食文化や技など貴重な地域文化に興味をもち、時代とともに廃れていかないようにその話を聞いてデータ化して伝承していくことになった。2013年4月に会の活動を開始し、17名で運営している。活動内容の例は以下のとおりである。

2●地域おこし協力隊による聞き取り作業
●聞き取った内容のデータ化・編集・レイアウト・挿絵検討
●印刷製本(500部発刊)と地域内や学校・関係機関への配布
●子供達や保護者と高齢者との交流会開催(例:七夕映画祭と伝統食を食べる会、竹細工とそうめん流し交流、昔遊び交流)

高齢者としては、これらの活動を通じて記憶を風化させないことで、自分たちの誇りを確認できている。また、本が新聞などに掲載されて活動の励みとなったとともに、多くの注文もあり、地域文化を語り伝える大切さが評価されて会員の自信となった。子供達や保護者、地域住民にとっても地域の歴史を学ぶ教科書として喜ばれている。

2.昔の技術の伝授
(1)松永公民館(福井県小浜市)
松永公民館では年4回、小学校1~6年生を対象に、地元生産組合・老人クラブによる指導の下で、田植え~稲刈り体験、餅つき体験、試食会等を実施し、各回約60名が参加している。3農村の農家地帯でも、個人で稲作をする農家が減っている中、父母・祖父母たちが営んできた従来の手作業による農業労働を昔の道具等の使い方を教えながら実施している。
子供達が農業道具や機会に実際に触れ、使い方を体験することにより、種・苗・稲・米・わらに成長する過程を学ぶことができている。

 

(2)尼子鎧工房(島根県安来市)
尼子鎧工房は2011年7月に活動を開始し、会員13名で運営している。
4手づくり鎧を通して貢献したいと鎧制作経験者が集まり、若い世代に鎧製作技術を伝承し、また制作した鎧を着用して地域イベント等に参加して交流を深めている。
この地域で戦国時代に活躍した大名「尼子氏」のほか、地域の歴史を生かした魅力あるまちづくりを推進するため、ボール紙製の手作り鎧製作技術を研鑽し、保存・伝承・公開することを目指している。鎧はボール紙で出来ているとは思えない完成度である。

5歴史書によると、この地域には鉄砲隊と忍者が存在していたことが明記されていたことから、「尼子鉄砲隊」を復活編成し、地域イベントでは、鎧武者の参画に子供の兵隊と忍者隊を新たに加え、武者行列の多彩な演出に協力している。例えば模造鉄砲や鎧等を制作し、地域イベント(戦国尼子フェスティバル、戦国ロマンウォーク)の際に貸出し、小学校やほかの団体と連携して参加し、若者世代との交流を進めている。
この活動を通じて地域の歴史資産を再認識する機会を提供し、次の世代へ継承していくことができている。また手づくり鎧を通して若い世代の方々と交流し、会員もボランティア活動を通して社会貢献をしていくことに生きがいを感じている。

3.伝統芸能の普及・伝承

(1)宅野神楽団(島根県大田市)
宅野神楽団は2012年6月に活動を開始し、会員15名で運営している。
6この地域には350年以上の歴史を持つ「宅野子ども神楽」があるが、近年の少子化や指導者不足等で存続の危機にさらされていた。この現状に危機感を覚えた地域の中高年齢者により、2012年に本団体が結成された。2013年に助成金を得たおかげで衣装を購入でき、現在は地域行事や祭等に出かけて神楽公演を行っている。

7活動内容は、週1回の神楽練習、月1回の子ども神楽指導、地域行事や祭への参加、福祉施設への訪問などである。
この活動では、小学生~70代までの幅広い世代が神楽を通してひとつになれるほか、神楽団での練習や指導者の育成に若い世代が積極的に参加する等、地域住民の地域文化継承に対する意識が向上した。また正月の子ども神楽や夏の神楽共演大会などでは、例年より多くの観客があり、地域活性化につながっている。

(2)楽遊クラブ銀雅(兵庫県神戸市)
楽遊クラブ銀雅は2000年に活動を開始し、会員35名で運営している。
8このクラブは、高齢者の生涯学習プログラム「神戸市シルバーカレッジ」で日本民俗芸能「銭太鼓」と出会った人達が、卒業後も活動しているものである。週1度、定例練習を行い、高齢者福祉施設訪問を初め地域の祭り・イベント参加等、年間100件以上出演して、銭第子の啓蒙・普及に取組む。
また知的障害者や児童にも指導して、毎年銭太鼓の交流を深めるために「百人打ち」を開催している。

 

4.環境や歴史の保存・伝承
(1)日貫(Hinui)の歴史を伝承する会(島根県邑南町(Ohnan))
日貫の歴史を伝承する会は、地域の歴史に興味がある者が集まり、古文書を集めたり、地域のいろいろな言い伝えなどを収集し未来へ残し伝えていくために立ち上げたものである。2012年10月に活動を開始し、会員12名で運営している。
9日貫地区は古くから、製鉄や和紙作りが栄えた地域であったが、近年は人口も減少しており、古くからの言い伝えや古文書なども消えて行きつつある。そこで、地域に伝えられていることを聞きとり記録として残していくと共に、文書などもこれまで以上に集めていく必要があり、それらを子供や地区の人達、日貫をふるさととしている人達にも伝えていくことが大切なことではないかと考えて、活動を行っている。
具体的な活動内容は以下のとおりであり、地域のいきいきサロンで活用している。
●地域の歴史や事柄を織り込んだ「日貫ふるさとカルタ」(日本のカードゲーム)を作成し、地区内の各戸や町内公民館、学校に配布した。カルタの読み札は地区内に募集をし、会員が考えたものと併せて検討を行い決定した。
●地域の歴史、特に江戸時代の道路事情や特産物を中心にした紙芝居を作成した。地区内の人も知らないことや忘れられていた事柄もあり、歴史を再認識できた。

(2)富士見町鶴亀会(埼玉県さいたま市)
富士見町鶴亀会は会員59名で構成されており、うち65歳以上が72%を占める(2013年4月現在)。
10この町では地元の神社の祭りに際して、伝統行事として清掃が行われてきた。1991年にはこの地域に公園を整備することとなり、これを契機により住みやすい地域となるよう、地域住民(自治会)と老人クラブの交流が深まり、輪が広がる活動は何かを話し合っていた。また老人クラブでは、高齢者の生きがいは何かが問われ、社会奉仕活動を中心に実践してみてはどうかという意見が出された。そこで社会奉仕活動の一つとして、整備された公園を中心に、1994年から地域の環境美化活動に取り組むことにした。
主な活動としては、道路・公園・神社の清掃を月1回、竹の剪定や花の植え替えを年数回、5-10月は花の水やりを毎日実施している。また、子供から高齢者までスポーツや遊びに使用するグラウンドは、安全を確認の上で子供達と一緒に草ぬきや草刈を行う。清掃活動による世代間交流は、登下校時の見守りや昔遊びによる交流へと広がっていった。

(3)よこはまホタル村(青森県横浜町)
1993年に立ち上げられたよこはまホタル村は会員60名で構成されており、うち65歳以上が67%を占める(2013年4月現在)。
11この地域はゲンジボタル、カブトムシ、キリギリスなど昆虫の北限生息地として知られている。1989年に設立された「横浜ホタルの会」が、ホタル増殖に適している地区(吹越地区)の老人クラブに呼びかけ、北限のゲンジボタルにこだわった「日本一のほたるの里づくり」を目指そうと、有志で「よこはまホタル村」を立ち上げ、ホタルの保護増殖・環境保全・世代間交流等の活動を行っている。
開村と同時に、専門家の指導の下で、休耕田を利用したホタル飼育場の整備や幼虫を放流する河川の環境整備を展開。これらは村民だけでなく、地域の子供会や老人クラブと共催する世代間交流のかたちで進められてきた。
この活動は県外にも広がりを見せ、東京や神奈川の類似団体と交流を行っている。また「ホタル&湧水まつり」は子供から高齢者、県外の人も多く参加し、3日間でミニ講話や餅つき、ホタルに関するクイズ、お茶会、飼育場見学などを実施している。
世代間交流は、小学校児童と老人クラブ会員などが田植えをしたり、屋内飼育場で小学生がホタル守り隊事業として人工飼育に取り組んだり、ホタル村ビニールハウスで子ども会が野菜種まき作業体験をしたり、と多彩な事業が展開されている。地域内外の小学校を訪問して、ホタル村の実践活動を紹介して交流を図り、ホタルが幼虫から飛び立つまでの気温や水温、そして飛翔数などを調べるホタル探検隊を子ども会に派遣する事業が続けられている。

5.文化伝承に携わる高齢者:内閣府「エイジレス・ライフ実践事例」受賞例より
ここまでは、高齢者を中心としたグループによる、文化伝承を通じた世代交流の事例を紹介した。この他にも同様の取り組みが多くの高齢者個人によって取り組まれている。その中からいくつかの例を、後述する内閣府主催の「エイジレス・ライフ実践事例」より紹介する。

(1)清野吉巳氏(80歳、福島県福島市)
元農業指導員であった清野氏は、2001年に退職して実家で農業に従事していたが、近所の子供たちの声に身も心も和み、直接交流する機会があったら楽しいだろうなと思ったことが活動の原点となった。
12ある日、近くの幼稚園児が散歩中に清野さんの自宅前の道路で転倒し、妻がかすり傷の手当てをしていたところ、幼稚園の先生が「誰かサツマイモの栽培を教えてくれる人はいませんかね」と尋ね、「それなら家の父ちゃんなら教えられるよ」と答えたことが、園児たちと直接交流する機会の実現につながった。
自宅裏の畑にサツマイモの苗を作ることから始め、園児とともに苗植え・収穫を体験し、サツマイモ料理を食する体験を援助した。そしてサツマイモにとどまらず、ジャガイモを植え付けたり枝豆の種を播いたりと、年間を通した野菜づくり体験へと発展していった。清野氏は、この体験を通して子供たちに農業の楽しさと大切さを学んで欲しい、と願っている。
また、幼稚園や小学校から花壇の花の栽培について相談を受けることもある。2000年に幼稚園の庭にひまわりの種を播いたのをきっかけに、自宅近くの休耕田10 アールを利用して「ひまわり王国(ひまわりの迷路)」を作った。9月中旬に一斉に花を咲かせた迷路をはしゃぎながら伸び伸びと走り回る子どもたちの姿を見て、清野氏の苦労が報われるのである。
さらに2001年には仲間と「ふくしま民話茶屋の会」と立ち上げ、地元の幼稚園や保育園で定期的に昔話を披露しているほか、高齢者関係の行事などにも足を運ぶ。民話を集めるために、県内にとどまらず現地へ足を運び、他団体と交流しながら民話を集めている。2011年の東日本大震災直後も避難所を訪問して民話を披露し、子どもたちの暫しの憩の場となるよう活動したり、仮設住宅での活動も継続して行っている。清野氏が昔話を語ることに力を注いでいる理由は、民話に込められた人間の生き様や、民話を方言で語ることが無形の文化財の保存活動でもあるからである。
13この他にも清野氏は老人クラブの仲間と保育園・幼稚園・小学校で、もちつき・凧揚げ・コマ回し・折り紙など日本文化に限定し、その伝承活動も実施している。

 

 

(2)前田剛氏(78歳、宮崎県宮崎市)
前田氏は企業を退職後、地域や高齢者大学の様々な講座を受講し、2003年に受講仲間と「宮崎地区高齢社交流企画委員会」を結成し、以後代表を努める。結成したメンバーの中には、スポーツ指導や料理などの得意分野を持つ人が多くいた。そこで前田氏は、メンバーの得意分野をいかせるよう、自分自身はあくまでも「縁の下の力持ち」として、企画や手配、広報など活動を支える役割を担おうと決心した。
14委員会の活動は多岐にわたり、その一例が、日本料理に欠かせない味噌作り(食文化の伝承)である。味噌に欠かせない麹を高齢者が作り、煮た大豆と麹を混ぜる役割を児童が担当する。味噌が出来上がると、手作り味噌を使った料理の試食会を実施している。
昔遊びのひとつである「手作り皿回し」も委員会活動の例である。皿を自分で作って遊び、持って帰って家族や友達に披露したり教えたりできるなど、昔あそびのヒントを子どもたちに提供し、子どもたちに遊びの拡がりや創造性を高めることにもつながっている。
委員会ではまた、「宮崎を知ろう」をテーマに、地元の歴史的な場所(神社・樹木等)を訪れ、世代を越えて地域の歴史や文化を学ぶ活動も実施している。

文化伝承を組織的に促進する行政・団体等の取り組み

上記のように、グループや個人レベルにおいて、高齢者が文化伝承を通じて世代間交流を行っている例が多数ある一方で、これらを組織的に促進する取り組みも行政や団体レベルで行われている。具体的にどのような促進策が存在するのか、以下、簡単に紹介する。

(1)静岡県:2014年度長寿者による次世代への文化伝承モデル事業費補助金
この補助金は、長寿者の社会参加について、文化伝承を通じた新たな「社会貢献活動」を推進することにより、健康寿命の更なる延伸を図ることを目的として実施された。補助対象者は民間団体及び老人クラブで、対象事業は、地域の伝統芸能の伝承活動や地域の文化を伝えるものづくり活動等(次世代の担い手確保等を目的)である。補助金は上限20万円までで、100%補助する。

(2)山口県:地域文化伝承活動支援事業
本事業は山口県が山口県立大学に委託しており、高齢者が長年培ってきた豊かな経験・知識・技術を生かして取り組んでいる様々な地域文化伝承活動の支援を通じた、地域の活性化や各世代間との交流促進を目的としている。
対象となるのは、山口県在住の5名以上の者で構成され、構成員の半数以上が60歳以上であるグループが行う、以下すべての条件に該当する事業である。

  1. 地域に伝わる文化や伝統を次世代に受け継ぐ活動で、これまでの活動実績があり、今後も継続して実施が可能であること
  2. ほかの公共団体や民間団体からの助成を受けていないこと
  3. これまで本事業の補助を受けた団体でないこと
  4. 地域のイベント「全国健康福祉祭やまぐち大会」に出演・出展をめざす意思があること
  5. 将来、地域の観光資源としての活動が期待されること

助成額は上限10万円であり、年間約3団体が助成を受ける。

(3)島根県社会福祉協議会:しまねいきいきファンド助成事業
上記2点は県による事業であるが、こちらは地域福祉の推進を目的とする民間団体「社会福祉協議会」の県レベル組織が主催している事業である。この助成事業は、中高年齢者グループによる地域づくりに寄与する事業を支援し、活力ある地域社会作りを促進することを目的としている。
この事業は以下2つの区分に分かれている。

  1. 夢ファクトリー支援事業:中高年齢者が培ってきた知識・経験・技術等を生かして、生産・加工・サービス提供を行うことにより、健康・生きがいづくりまたは地域づくりに寄与することのできる事業。対象は中高年齢者(概ね50歳以上)で構成された10名以上のグループであり、対象経費の4/5以内で上限200万円を助成する。
  2. 地域活動支援事業:中高年齢者が独自でまたは地域住民と協働して、地域での社会参加活動やボランティア活動等を行うことにより、健康・生きがいづくりまたは地域づくりに寄与できる次の活動への支援(中高年齢者の健康づくり・介護予防支援、世代間交流、文化伝承、子育て支援、障害者自立支援等)。対象は、代表者を含む過半数が中高年齢者で構成された10名以上のグループであり、対象経費の4/5以内で上限100万円を助成する。

(4)山形県老人クラブ連合会:「山形ふるさと塾応援シニア」
この事業は山形県の老人クラブ連合会が主催しており、山形のよき生活文化や知恵、伝統芸能などを教え合い学び合う取り組みを応援する意欲のある人を募集し、シニア世代が積極的に社会貢献する場を提供し、自己実現と価値創造の広がりを支援するものである。
これは助成金ではなく、技術を有していたりボランティア活動に関心のある高齢者が、同連合会のホームページ(http://www.kirara-yamagata.or.jp/modules/tinyd1/content/index.php?id=7)に登録し、各種要請に応じて以下のような活動を行うものである。

  1. 技術を教え習得してもらう活動
  2. 技術の維持継承のための活動
  3. 地域イベント等における高齢者の生きがい元気づくりのための活動
  4. 教育現場での特別講師としての交流・指導活動
  5. 青少年育成のためのボランティア活動等

応募の資格があるのは、県内に住む概ね60歳以上で、知識・技能・生活の知恵を子供たちに伝えたいという意欲がある者となっている。
2014年10月現在で173名が登録しており、ホームページでは「歴史・郷土史・民俗習慣(戦争体験、ことわざ、郷土史等)」「伝統技能(伝統工芸、手芸、わら細工等)」「昔の遊び(竹とんぼ、コマ回し、凧揚げ等)」「食文化(郷土料理、季節料理、農作業等)」のカテゴリーで登録者が在住する地区と得意分野が検索できる。

(5)内閣府:「エイジレス・ライフ実践事例」と「社会参加活動事例」
日本が長寿国のフロントランナーとなる中、高齢者が年齢にとらわれず自らの責任と能力において自由にいきいきと生活することが重要だが、高齢者の社会参加は未だ十分ではない状況である。このため内閣府では、このような活動を積極的に行っている事例を広く紹介し参考とすることを目指して、「エイジレス・ライフ実践事例(個人対象)」及び社会参加活動事例(グループ対象)」を毎年募集している。選考された事例は内閣府のホームページで紹介されるほか、内閣府が主催する関連イベントでも紹介される。受賞者には賞状及び記念の楯が贈られる。受賞事例は、健康・就業・教育・福祉等幅広い内容であるが、上記で紹介したように、文化伝承を通じた世代間交流の取り組みも複数存在する。

おわりに
普遍的長寿社会、合わせて少子高齢化社会の日本は、世代間の支え合いが必要不可欠な社会になっている。我々「高連協」が日本政府に提言した「…現代の高齢者は、先祖、親世代と同様、より良い社会を次世代に引継ぎたいと願っている。そのためには、自らが住む地域社会で、高齢者をはじめすべての世代がこぞって、子育てにも介護にも参加し、三世代いや四世代共住の支え合い型地域社会をつくることが肝要である。」は国の「高齢社会対策大綱」(2013年改訂)に反映されている。
こうした日本社会において、上記で紹介したような、旧来からの文化伝承活動にみる高齢者から子・孫世代への活動はさらに重要視され、地域社会における世代間の結びつきと社会の活性化に寄与している。また、少子高齢化の進展によって生み出されている多世代間の交流活動は、行為をする者も受ける者も共に喜びを享受する、人類社会の進歩発展を伺えるものである。
我々高連協は、高齢者はもとよりすべての世代が支え合う仕組みづくり活動を推進しており、この会議の目的に共鳴し、協力共催した次第である。我々日本の経験が、アメリカをはじめとした他国の皆様の参考となれば幸いである。

<出典>
コープともしびボランティア振興財団「楽遊クラブ銀雅」
http://www.tomoshibi-found.or.jp/group/%E6%A5%BD%E9%81%8A%E3%82%AF%E3%83%A9%E3%83%96%E9%8A%80%E9%9B%85/

静岡県HP「平成26年度長寿者による次世代への文化伝承モデル事業費補助金について」
http://www.pref.shizuoka.jp/kousei/ko-210/choujuhozyo.html

島根県HP「実証!『地域力』醸成プログラム選定モデル公民館」H22度及び24年度報告書
http://www.pref.shimane.lg.jp/shakaikyoiku/tiikiryoku/

島根県社協HP「平成 27 年度しまねいきいきファンド助成事業のご案内」
http://www.fukushi-shimane.or.jp/silver/ikiiki.html

島根県社協夢ファク市場HP「しまねいきいきファンド事業実践事例」
http://www.shimane-yume-factory.jp/jirei/index.html

内閣府HP「平成25年度「エイジレス・ライフ実践事例」及び「社会参加活動事例」の選考結果について」
http://www8.cao.go.jp/kourei/kou-kei/h25ageless/index.html

内閣府HP「平成26年度「エイジレス・ライフ実践事例」及び「社会参加活動事例」の選考結果について」
http://www8.cao.go.jp/kourei/kou-kei/h26ageless/index.html

内閣府調査HP「平成25年度高齢者の地域社会への参加に関する意識調査結果」
http://www8.cao.go.jp/kourei/ishiki/h25/sougou/zentai/index.html

福井県健康福祉部長寿福祉課(2013)「地域交流サロン等における子どもとの世代間交流事例集」
http://www.pref.fukui.lg.jp/doc/kourei/saron_d/fil/008.pdf

山形県老人クラブ連合会HP「山形ふるさと塾応援シニア」
http://www.kirara-yamagata.or.jp/modules/tinyd1/content/index.php?id=7

口県立大学HP「平成26年度地域文化伝承活動支援事業」
http://www.yamaguchi-pu.ac.jp/region/densyoshien2014.html