書籍紹介「大転換期 日本の人口事情」

「大転換期 日本の人口事情」
編著:エイジング総合研究センター
発行:中央法規出版(1,800円+税)

人々のライフコースのエイジングの視点から国内外の高齢化少子化を調査研究しているエイジング総合研究センターが30周年記念として出版。現在は日本語のみなので、本書の概要を紹介する。

本書の冒頭(はじめに)では、
「長寿は全人類の願望であるが、人口の高齢化は全世界的課題になりつつある。なかでも日本は、人口高齢化が急速に進み、21世紀を迎えて以降は高齢化最先行国になっており、2005年からは人口自然増加率がマイナスに転じている。日本人口は、20世紀初頭、約4,000万人だったが、100年後の2010年(センサス)では3倍の約1億2,800万人、日本史上に例のない増加をしている。過去100年とくに戦後からの約70年間、日本社会は常に人口過剰を課題としてきたが、2010年現在は人口減少を憂える人が少なくない。
こうした日本の人口事情を戦後からの歴程で、出生、死亡、寿命等人口動態を軸に社会変化との関連をコンパクトにとりまとめたのが本書で、日本社会の課題や今後想定される人口動向についても附言している。また、本書は「人口現象は人間社会の発展」という観点から考察している。」と述べている。
本書の編集目次は、1.「戦後からの社会発展と人口事情」(本書の概要)、2.「日本人口高齢化」(人口動態変化の専門的考察)、3.「人口構造変化」、4.「家族変化」、5.「地域社会の高齢化」、6.「高齢者事情」から成っている。そして、各章には著名人のその時々のコラムが挿入されているため、本書を読みやすくしている。また、コラムではあるが、「団塊の世代」(ベビーブーマー世代)、「終末期医療」等の小論文もある。
本書で注目すべきは、1945年の敗戦時約7,200万人だった日本人口が1975年に約1億1,200万人になるまでの人口事情であり、戦後約70年間の出生率と人口高齢化をみると、1975年が2005年以上に大きな日本人口の転換期ではなかろうか。
また、2014年現在、日本では人口の高齢化と減少化で「消滅する市町村」が話題にされているが、本書「地域社会の高齢化」では2010年センサスから高齢化率50%の町村が10カ所余りあるが、その町村は持てる生活文化の中で住民も自治体もしっかり生活していると紹介している。そして、高齢社会対策の地域社会依存度が一層高まる中で、地域自治体への権限委譲を進めることを訴えている。
本書が訴えていることはいろいろあるが、再度にわたり訴えているのは、1.年歳差別禁止法(原則法)の策定、2.女性と高齢者の社会的活動を促進する中長期的総合的対策の推進と社会環境づくり、3.「老後の安心」への方策の提言等である。
以上、本書の概要紹介。                        <S.Y記>

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